手術当日、なんと手術延期に

8月20日、手術当日。
手術は本日一番目の9時から。朝から飲食禁止です。

起きてから手術着に着替えていると看護師さんが毎度の血圧チェックと検温に来ました。
血圧はいつもどおり。
検温は、37.7度
昨日の夜から少し上がってます。。。

看護師さんも、ん!という表情。
「ちょっと、先生に報告してきますね」

これはちょっとヤバいんだろうか。のどの痛みは昨日よりすこし良くなってました。

手術着に着替えて弾性ストッキングをはいてスタンバイ。
手術室入りまで何もすることがないのでぼんやりベッド上で待っていると昨日の偉い先生が来ました。

 

弾性ストッキングをはいてスタンバイ
弾性ストッキングをはいてスタンバイです


偉いのに優しそうな先生は、やんわりとした口調で言いました。

「昨日やりましょうって言ったけど、37.7度はちょっと高いな~。無理は良くない。悪いけど延期にさせてもらえるか? 担当の先生ともこれから話すけども…」


延期!!


いやといえるはずもなく、「はい」と答えるわたくし。

しかし、のどの方はもう大したことなく、熱は多分昨日のステントの影響ではと思ったのですが。
困ったなと思っていたら夫さん登場。
いきさつを説明するとやはり
「延期~!! え、で、いつやるの?」

わたくしもそれが気になっていました。
このまま入院して5日後くらいにやるのかしら?

そんなことを夫と話していたら、担当の白ヤギ先生があらわれました。

「いろいろ準備してきていただいたと思うんですが、今回は延期することで決定しました。すみませんが、そういうことにさせてください。」


と丁重にお話いただきました。

「仕切り直して来月の手術になりますが…」

なんと、来月!翌月9月の2週目あたりになると。


ということで本日でいったん退院ということになりました。

はっきりした日程は次回の外来の時にお伝えいただけることになったのですが…。

職場には手術後1か月ほどお休みしますと伝えていたのですが、このお休みも延長しなくてはいけません。言いづらい。

そしてもうひとつ気になるのは尿管ステント
これは今日抜くとまた次回入れるときに大変なことになるかもしれないので残すことになりました。
次回の手術まで入れっぱなしです

白ヤギ先生の話ではだんだん痛みはなくなるということなのですが、尿道から糸が出てます
これうっかりひっかけちゃったらステント抜けてしまいます。抜けちゃったら大変!なので、尿道のところで糸を切ってからの退院となりました。

尿道の出口で糸を切るので尿道に糸はとおりっぱなし。気持ち悪いです。これも耐えるしかないんでしょうか。。

ステントが入ってることでのおなかの痛みと尿道の気持ち悪さ。この状態であと3週間ほど過ごすことになります。

全く予想外のことになってしまいました。

入院前日。
泌尿器科で尿管にステントを入れる(2)

顔面蒼白、脂汗ダラダラで痛みに悶えながら看護師さんに車椅子を押してもらいケアルームへ到着。

ケアルームは注射や点滴を受ける外来の患者さんや病院で具合が悪くなった患者さんが過ごす部屋で看護師さんが3〜4人常駐しています。

リクライニングチェアの背もたれをたおし、横になりました。

看護師さんに心拍数と血圧を測られながらも痛みに耐えるのに必死でした。

おでこには髪の毛が汗で貼りつき、背中もびっしょり。

10分おきくらいで陣痛並みの激しい痛みの波が押し寄せ、激痛で息をするのも辛くリクライニングチェアでプルプル震えていました。

だんだんさっきのステント留置、なにか事故ったんじゃないだろうかと疑いの気持ちまで出てきていました。

泌尿器科医、再登場

看護師さんが泌尿器科と産婦人科の医者様に連絡を入れていたようで、先ほどのステント留置の泌尿器科の医者様がケアルームに様子を伺いに表れました。


「大丈夫ですか? こういう方時々いるんですよー。」

激痛に苦しむわたくしを前に笑みを浮かべておられます。

さらに医者様は何かを説明しようとしてか

「〇〇神経って知ってますか?」と。

「……知りません」

と痛みをこらえ、額の脂汗を拭いながら答えるわたくしに変わらぬ笑みを浮かべながら

「知らないですね」

と答えて何度か笑顔で頷き、去っていかれました!

え!! ちょと…!
何しに来たんじゃーい!!!


とりあえずこの痛みをなんとかしてほしいのよ。と看護師さんに目で訴えるわたくし。

その後しばらくして婦人科医の方から痛み止めの点滴の指示が入ったようで、看護師さんから「これから準備しますからね」とはげまされる。

しかし看護師さんは忙しく他の患者さんの処置に当たったり電話に出たりしています。

はよ…。。 点滴たのむ。。

そんなわたくしの苦痛を察してくれたのか看護師さんがこちらを見ながら何やら医者様と通話しておられましたが、通話が終わってこちらへ近づいてこられました。

「グリーンさん、おしっこが出るか確認したいのでトイレに行きましょうか

トイレ…。え、点滴じゃないの?

先ほどの泌尿器科からの指示でしょうか。看護師さんにとって医者様からの指示は絶対なようです。
わたくしの苦痛を察してくれたわけでもないようです。

看護師さんに手助けされ
車椅子でトイレへ

信じられないよろよろっぷりで便座に座るわたくし。
いざ、排尿しようとすると、出ない…。
腹痛と緊張のせいか、それとも大量の汗で水分を奪われたせいか。
そういえば、家を出てからなにも飲んでいません。
いや、もしかしてステント入れる時の麻酔のゼリーの影響ででないとか?

いろんなことが頭の中に浮かびましたが、とりあえず「おしっこは出ない」と言うことを看護師さんに伝え、トイレをでるわたくし。

気づけば外がうっすら暗くなっているではありませんか。
尿管ステントを入れ始めたのが2時半頃、もうそれから3時間以上たっていました

ケアルームに戻ると看護師さんが痛み止めの点滴を用意してくれてました!

ようやく点滴注入!!(涙)

少し落ち着いたらまたトイレに行きましょうね言われ、力なく頷くわたくし。

手術本番はあさってなのに、たかがその前処置でこんなことになろうとは。
先が思いやられます。

婦人科医者様のご登場

点滴を落とし始めて程なくして主治医の婦人科医者様が様子を見にきてくれました。

いつも頼りなく感じていた色白黒メガネ、痩せ型の医者様ですが、この時はすがるような気持ちです。

いままでの診察時間は長くても10分程度だったので医者様との関係はとても薄いものですが、心配そうな表情で「痛みはどうですか?」と聞いてくれました。

「すごく痛いですがさっきより少しいいです」
と、少しづつですが痛み止めが効いてきたことを伝えました。

色白黒メガネの白ヤギ先生はこう続けました。

「入院は明日からですけど、今日から入院もできますよ。ただ、いろいろ準備もあるでしょうから、今日は痛み止めでしのいで明日予定どおり入院でも、どちらでも大丈夫です」

いろいろ準備。。。
そうです。入院時に提出する同意書やら着替えの下着やら家に帰って準備しようと思っていたのです。

このまま痛みに苦しみながら家に帰る不安もありましたがさすがにノー準備で入院するわけにもいかず、この日は痛み止めを処方してもらって帰宅することにしました。

そうこうしているうちに尿意をもよおして来たので看護師さんにまた車椅子でトイレに連れて行ってもらいました。

今回は「出そう」な感じがありました。

…が、出てきた尿は、血尿!
真っ赤です!


「血尿出てますけど大丈夫ですか?」
と、事前に血尿でることがあるとは聞いてたのですが、念のために確認。

「ステント入れると血尿でるから、大丈夫ですよ」と。

確かに泌尿器科の事前の説明でも多少の血尿は大丈夫と言われましたが…。
血尿が出ても大丈夫と言う感覚。やはり病院は恐ろしいところです

点滴が終わる頃、痛みも少し落ち着き、ゆっくりなら歩けるようになりました。もう外はすっかり夜です。


タクシーで家に帰り着いたのは夜8時頃。
入院のための準備をし、痛みに苦しみながら横になっていたのですが、この日はほぼ一睡もできず

痛みは少し落ち着いたものの定期的に激痛が襲ってきて大きな痛みの波が来ると息もできないほどです。

あと◯時間で次の痛み止めを飲める(薬の間隔を6時間開けないといけない)、と時計を見つめながら朝を迎えました。

わたくしが特殊体質なのか、痛みは尋常じゃなかったのですが、その後も尿は問題なく出て(しかし血尿)、ステントは正常に留置されていたのだと思います。

こんな状態ですが、いよいよ入院です。

入院前日。
泌尿器科で尿管にステントを入れる(1)

8月18日、お盆休みが過ぎた頃、術前の処置のために泌尿器科に行ってきました。
入院日の前日です。

医者様に何度も言われたあの尿管ステント留置の処置です。

尿管ステントというのは、膀胱と腎臓をつなぐ尿管というところに通す管です。
何度も医者様に説明されていたのでわたくし若干恐怖を感じていました。

そしてこの尿管ステント留置の処置の5日ほど前、なんということかわたくし体調を崩してしまいました。。。

手術の前に久しぶりに2泊3日の家族旅行に出かけたのですが、その疲れが出たのか、はたまたその頃職場で流行っていた風邪が移ったのか、38度くらいの熱が出て、喉の痛みと咳が少し出るような状態でした。

風邪薬で必死に治して泌尿器科に行ったものの、まだ少し喉のイガイガが残っていて、心配でした。
明後日入院だし、しあさっては手術当日だし、手術ができなくなってしまったらステントを入れる意味がないので風邪気味だが大丈夫かと聞いてみました。

泌尿器科の看護師さんは医者様に確認してくれて

「大丈夫だそうですよ!」

と笑顔で答えてくれたのですが、この大丈夫の意味はステントを入れるのが大丈夫なのか、それとも手術が大丈夫なのか? わたくし少し不安に思っていました。

というのも、全身麻酔で手術を受ける時に気管に管を通しますが、その管を入れるのに風邪をひいていると喉の菌が肺に行って、肺炎を起こすことがあるらしいのです。
術前に風邪を引くと手術ができなくなるかもしれないと手術経験者の友人に聞いていたので大丈夫だろうかと心配でした。

不安を抱えながらもステント入れ始める

まあ、大丈夫ってことだからこのまま決行です。処置台の上に寝て、足は婦人科診察の時のように足台に乗せ開脚のポーズ。
男性の医者様が2名と女性の看護師さんと女医さんもおられました。

医者様どうしのフレンドリーな会話が続いている中、処置が始りました。

まずはアルコールで消毒し、尿道にゼリー状の麻酔を入れる。その後麻酔が効いてくるまで数分放置。

麻酔をするのは尿道の部分だけなので意識ははっきりしています。放置の数分間も医者様どうしのフレンドリーな会話が続いています。
時々わたくしへの「次はこういう処置をしますね」という説明が入ります。

下半身はむき出しですが、上半身は紺色の薄っぺらい不織布の検査着を着ています。病院の中なので暑くも寒くもないのですが、緊張のせいかじわっと汗をかいているのがわかります。

いよいよステントが入る

程よく麻酔が効いた頃、尿道からカメラが入り、膀胱内の尿管の穴を探します。
室内のモニターにわたくしの膀胱内の映像が映し出されます。。。
しっかり尿が溜まっている膀胱の中をカメラが尿管の穴を探してさまよいます。

「あ、これかな、これだね」
医者様が尿管の穴を見つけたようです。

「じゃあ、入れていきます」
とステントを尿管の穴のあたりに持ってきます。
その後ヴーーー…という機会音と共にステントが尿管の中に入っていきます。

つーーっと管が入っていく時の下腹部から背中への違和感。
ずーんとする鈍い痛み。
あー入ってるわー。。。

と思ってると右側終了。


「じゃ次、左入れますね」
とまた膀胱内の左側尿管の穴をカメラで探し、尿管に管を入れる。
右側の時と同じように背中への違和感と鈍い痛みを感じます。
つーっと入っていった最後、腎臓のあたりがちくっとしました。。。冷や汗。。

「はいこれで処置終了です。大丈夫ですか?」

と医者様に声をかけられ、弱々しく、あ、大丈夫です、と応えるわたくし。
検査着が汗でびっしょり。冷たくなっているではありませんか。

「背中の方にも違和感あると思いますけど大丈夫ですからね」と医者様に笑顔で 話しかけられましたが、この時のわたくしの表情は強張っていたと思います。

違和感というか、想像していた以上にステントの存在感を感じます。
そしてやっぱり少し痛いんです。
背中をピシッと伸ばすのが怖い。。。

さらにこのステント、膀胱側の方に黒い糸が付いていて、その糸が尿道から外に出ているんです
なんのための糸かというと、手術の後に婦人科医が糸を引っ張ってステントを抜き取れるようにするための糸です。

その糸、20センチくらい尿道から出ているんですが、うっかり引っ張っちゃうと尿管ステントが抜けてしまうので(怖い!)左右の鼠径部に1本ずつテープで貼り付けてあります。

この糸が尿道を通っているので、膀胱炎の時のような気持ち悪さ!
やはりこの糸も想像していた以上の存在感です。。。

なんとかステント留置終了

とりあえず、無事処置が終わったということでよろよろと着替えを済ませお会計窓口へ。

背中に違和感を感じながら、お会計を済ませ、これって普通にスタスタ歩いても大丈夫なんだろうか?とちょっと不安に思いながら歩いていました。

それでも明日入院だし準備もあるし、早く帰らなくちゃ、と普通に歩いき始めたとき、妙な痛みと冷や汗が!

一気に頭から血の気がひいていきます。顔が青くなっているのが自分でもわかりました。。。

ちょうど外来のエントランスにさしかかったあたりで歩くどころか立っていられなくなり、エントランスにあるソファーによたよたと座り込みました。

座ってもますます痛みは強まるし、さらに血の気は引いていくし、我慢できずソファーに寝そべって苦しんでいると、警備のおじさんが近寄って来てくれました。

「看護師を呼びましょうか?」

「お、お願いします…」
汗だく、顔面蒼白で答えるわたくし。

程なく看護師さんが車椅子を押して来てくれました。

尿管ステント留置。医者様が何度も念押しするようにその必要性を説明していたのは、もしやこういう時のためなのか?と朦朧としながら考えていました。

そしてそのままわたくしは車椅子でケアルームへ運ばれていったのでした。

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