みんな不安になる入院費用 「差額ベッド代」は払わなくちゃいけないの?

手術入院がきまったとき、手術がどうなるのかということと同時に気になるのがお金のこと。
手術費、入院費はいくらくらいかかるのか、とくに予想外に高額になってしまう「差額ベッド代」について不安に思う方は多いようです。

差額ベッド代を請求されたら拒否できる?


入院時にもし大部屋を希望していても空いてなかった場合には、差額ベッド代を支払わなくてはならないのでしょうか?

少ない金額ではないだけに不安になってしまいますが、大部屋が空いていなかったとしても差額ベッド代を支払う必要はありません

2018年厚生労働省から、大部屋に空きがないときなど、病棟管理上個室を利用することになった場合にも、差額ベッド代を請求してはいけないことが通知されています。 

そのほかにも、病状が重く他の患者と同室にすべきでないと医師が判断した場合などにも差額ベッド代を請求することはできません。

このようなときには差額ベッド代を支払う必要はありません

同意書による確認が行われてない場合 


病棟管理の必要性等から差額ベッド室に入院させた場合


治療上の必要がある場合



たいして重病というわけでもないし、大部屋で充分なので差額料金がかからない病室を希望される方は多いと思います。

実際に差額ベッド代の金額を知って、「ここに入っちゃったらまずいわ」と不安に思うのはあなただけではありません。

ホテルなみの差額ベッド料金。
5日程度の入院で10万円を超えることもあります。
そして病院のパンフレット等にはこのように書かれていたりします。


※利用状況によりご希望に添えない場合があります。ご了承ください。


「利用状況によりご希望に添えない」というのはつまり大部屋を希望していても入院するときに満室なら有料の病室になることがあります、ということでもあります。


わたくしが入院した病院では、有料の病室になったときのために、入院手続き時に10万円の「与納金」という預かり金を病院にいったん支払うことになっていました。

この10万円は大部屋に入れた場合にはそのまま退院時に返金されますが、もし有料の部屋になった場合はこの10万円から精算され、余ったら残金を返金、10万円で足りなかった場合は不足分を退院時に支払うことになります。


こういうシステムをとっているのは、それまでに病院と入院患者とで差額ベッド代についてのトラブルがあったのかもしれません。

実際に差額ベッド代をめぐるトラブルは少なくありません
わたくしの場合も病室がどうなるのか不安に思いながらも入院費用の説明を受け、与納金10万円の準備をしました。

さらにその際に入院についての説明を受けましたという書類にサインをすることになっていました。

その書類にサインした上で、入院中は病院の指示に従いますという誓約書にも署名して入院前に提出しました。

この誓約書、記入したらどうなってしまうのでしょう?

入院誓約書を書いた場合はどうなるの?

入院についての説明を受けました、という書類と入院時に提出する誓約書。
この2つにサインしていた場合、病院の病棟管理の都合だとしても差額ベッド代がかかる病室に入院した場合は、支払いを拒否するのは難しくなります


それを避けるためには、入院時に「個室になりますがよろしいですか?」と言われたらはっきりそれは望んでいないことを伝えましょう

さすがに患者が拒否するものを無理にすすめることはありません。
ここで個室に入院することを承認してしまうと支払うことを承諾したことになってしまいますので気をつけてください。

ほとんどの場合一度はっきりと拒否しておくと、なるべく大部屋に入れるようにしてくれるようですが、「仕方ないな」とあっさり承諾してしまったばかりに入院中はずっと個室になり、高額な差額ベッド料金を請求されてしまった例もあります。

退院時に差額ベッド代を請求されてから「この料金を請求されるのはおかしい」と反論するのは難しくなってしまうので、最初にはっきりと拒否して希望の病室を伝えておきましょう。

大部屋は空いていないと言われたらこう返してみよう


もし入院する際に大部屋を希望していたのに空いていないと言われたら、

「病院都合の場合、差額ベッド代は払わなくていいと聞いていますが」

と返してみましょう。

それでも請求されることは余程のことがない限りないと思いますが、もし請求されそうだったら、

「厚生労働省から通知があったと思うのですが」

と付け加えて伝えてみましょう。


差額ベッド代はたった1週間程度の入院でも高額なのもになってしまいます。

なにも知らずに請求されるまま支払ってしまった、と後悔しないためにもどう対処すればいいのか事前に調べておきましょう。

入院するとなると普段以上にお金がかかる場合もありますし、仕事を休んで収入が途絶えることもあります。

そんな状況で支払う必要のない差額ベッド代も払ってしまうことがないように気をつけてくださいね。


参考:
厚生労働省『「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について』

コメントを残す

PAGE TOP