入院前日。
泌尿器科で尿管にステントを入れる(1)

8月18日、お盆休みが過ぎた頃、術前の処置のために泌尿器科に行ってきました。
入院日の前日です。

医者様に何度も言われたあの尿管ステント留置の処置です。

尿管ステントというのは、膀胱と腎臓をつなぐ尿管というところに通す管です。
何度も医者様に説明されていたのでわたくし若干恐怖を感じていました。

そしてこの尿管ステント留置の処置の5日ほど前、なんということかわたくし体調を崩してしまいました。。。

手術の前に久しぶりに2泊3日の家族旅行に出かけたのですが、その疲れが出たのか、はたまたその頃職場で流行っていた風邪が移ったのか、38度くらいの熱が出て、喉の痛みと咳が少し出るような状態でした。

風邪薬で必死に治して泌尿器科に行ったものの、まだ少し喉のイガイガが残っていて、心配でした。
明後日入院だし、しあさっては手術当日だし、手術ができなくなってしまったらステントを入れる意味がないので風邪気味だが大丈夫かと聞いてみました。

泌尿器科の看護師さんは医者様に確認してくれて

「大丈夫だそうですよ!」

と笑顔で答えてくれたのですが、この大丈夫の意味はステントを入れるのが大丈夫なのか、それとも手術が大丈夫なのか? わたくし少し不安に思っていました。

というのも、全身麻酔で手術を受ける時に気管に管を通しますが、その管を入れるのに風邪をひいていると喉の菌が肺に行って、肺炎を起こすことがあるらしいのです。
術前に風邪を引くと手術ができなくなるかもしれないと手術経験者の友人に聞いていたので大丈夫だろうかと心配でした。

不安を抱えながらもステント入れ始める

まあ、大丈夫ってことだからこのまま決行です。処置台の上に寝て、足は婦人科診察の時のように足台に乗せ開脚のポーズ。
男性の医者様が2名と女性の看護師さんと女医さんもおられました。

医者様どうしのフレンドリーな会話が続いている中、処置が始りました。

まずはアルコールで消毒し、尿道にゼリー状の麻酔を入れる。その後麻酔が効いてくるまで数分放置。

麻酔をするのは尿道の部分だけなので意識ははっきりしています。放置の数分間も医者様どうしのフレンドリーな会話が続いています。
時々わたくしへの「次はこういう処置をしますね」という説明が入ります。

下半身はむき出しですが、上半身は紺色の薄っぺらい不織布の検査着を着ています。病院の中なので暑くも寒くもないのですが、緊張のせいかじわっと汗をかいているのがわかります。

いよいよステントが入る

程よく麻酔が効いた頃、尿道からカメラが入り、膀胱内の尿管の穴を探します。
室内のモニターにわたくしの膀胱内の映像が映し出されます。。。
しっかり尿が溜まっている膀胱の中をカメラが尿管の穴を探してさまよいます。

「あ、これかな、これだね」
医者様が尿管の穴を見つけたようです。

「じゃあ、入れていきます」
とステントを尿管の穴のあたりに持ってきます。
その後ヴーーー…という機会音と共にステントが尿管の中に入っていきます。

つーーっと管が入っていく時の下腹部から背中への違和感。
ずーんとする鈍い痛み。
あー入ってるわー。。。

と思ってると右側終了。


「じゃ次、左入れますね」
とまた膀胱内の左側尿管の穴をカメラで探し、尿管に管を入れる。
右側の時と同じように背中への違和感と鈍い痛みを感じます。
つーっと入っていった最後、腎臓のあたりがちくっとしました。。。冷や汗。。

「はいこれで処置終了です。大丈夫ですか?」

と医者様に声をかけられ、弱々しく、あ、大丈夫です、と応えるわたくし。
検査着が汗でびっしょり。冷たくなっているではありませんか。

「背中の方にも違和感あると思いますけど大丈夫ですからね」と医者様に笑顔で 話しかけられましたが、この時のわたくしの表情は強張っていたと思います。

違和感というか、想像していた以上にステントの存在感を感じます。
そしてやっぱり少し痛いんです。
背中をピシッと伸ばすのが怖い。。。

さらにこのステント、膀胱側の方に黒い糸が付いていて、その糸が尿道から外に出ているんです
なんのための糸かというと、手術の後に婦人科医が糸を引っ張ってステントを抜き取れるようにするための糸です。

その糸、20センチくらい尿道から出ているんですが、うっかり引っ張っちゃうと尿管ステントが抜けてしまうので(怖い!)左右の鼠径部に1本ずつテープで貼り付けてあります。

この糸が尿道を通っているので、膀胱炎の時のような気持ち悪さ!
やはりこの糸も想像していた以上の存在感です。。。

なんとかステント留置終了

とりあえず、無事処置が終わったということでよろよろと着替えを済ませお会計窓口へ。

背中に違和感を感じながら、お会計を済ませ、これって普通にスタスタ歩いても大丈夫なんだろうか?とちょっと不安に思いながら歩いていました。

それでも明日入院だし準備もあるし、早く帰らなくちゃ、と普通に歩いき始めたとき、妙な痛みと冷や汗が!

一気に頭から血の気がひいていきます。顔が青くなっているのが自分でもわかりました。。。

ちょうど外来のエントランスにさしかかったあたりで歩くどころか立っていられなくなり、エントランスにあるソファーによたよたと座り込みました。

座ってもますます痛みは強まるし、さらに血の気は引いていくし、我慢できずソファーに寝そべって苦しんでいると、警備のおじさんが近寄って来てくれました。

「看護師を呼びましょうか?」

「お、お願いします…」
汗だく、顔面蒼白で答えるわたくし。

程なく看護師さんが車椅子を押して来てくれました。

尿管ステント留置。医者様が何度も念押しするようにその必要性を説明していたのは、もしやこういう時のためなのか?と朦朧としながら考えていました。

そしてそのままわたくしは車椅子でケアルームへ運ばれていったのでした。

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